10/29 くつを磨く

19日の金曜に従兄弟の結婚式があったので

前日、品川で仕事をしてそのまま新幹線に乗って実家に帰った。

今 仕事はとても忙しく、正直言うと

「なぜ平日に結婚式をしてくれるのか・・・」

なんていう気持ちもありながらの帰省だった。

家に着いたのは夜の7時過ぎで

明日に備えてお母さんはてんやわんや

わたしはというと疲れてしまって

こたつの中で寝ながらお母さんの声を聞いていた

「ようこ、明日の準備しなさいよー」

「あんた何付けてくのー」

なんて声を遠くで聞きながら

こたつ あったけーなあなどと思っていた。

「ようこ!!」という彼女の叱責で

のろのろと起きあがり、いそいそと明日の準備を始めたわけだけれど。

明日は朝早いから、今のうちに準備を と

お母さんとなんだかんだで盛り上がった。

結婚15周年の時にお父さんからもらったのだ、という

指輪をどこかから出してきて

「ようこ、あんたこれ明日していきなよ」

というので、ありがたく借りることにした。

「お母さんは明日着物着ていくんだけども

お父さんは膝が悪いから、いつも履いてるくつを履いてもらうんだー」と母。

でもやっぱり結婚式だからさ、あんたお父さんのくつちょっと磨いてくれない?

とさりげなく頼まれた。

えーめんどくさいよー 今日はもう疲れたから明日の朝磨くよー

と適当に答えて、その日はマニキュアを塗ったりして寝た。

結婚式当日の朝、(式場には9:50に着かなければいけないのだ)

お母さんはおばちゃんの着物の着付けに行って既にいなく、

お父さんが1人でこたつでいつものように勉強をしていた。

まるでこれから結婚式などという一大イベントが控えているとは

思えないほど、平和な朝だった。

玄関には「磨け」と言わんばかりに父親のくつがキチンと出してあったので

「しょーがねえ 磨くか」

と座り、わたしはごしごしと父親のくつを磨きはじめた。

お父さんのくつを磨くなんて初めてだなあと思いつつ

磨いていたのだけれど、そのうち

歩きぐせのついたそのくつが

「くつ」というより、

このくつを履いて歩いている父親そのもののように思えてきて 

なんだか歩いている後ろ姿とか想像してしまって

気がつくと超必死になって磨いていた。

本当は布で拭くだけでよかったんだけれど、

下駄箱をごそごそ探して

わたしの黒い靴用のワックスを捜し当て、

「絶対ピカピカにしてやる!」

と意地になってゴシゴシ磨いた。

ワックスは黒いので、いつのまにか手は真っ黒になり

昨日せっかく塗ったピンク色のマニキュアも

真っ黒になっていたけど

まさに そんなの関係ねー だった。

なんか、めでたい朝なのに泣きそうになった。

ピカピカのくつで父親に笑ってほしかったのだ。

好きすぎて泣ける。

お母さんのことも お父さんのことも。

親バカならぬ子バカだと思う。

そうしてお父さんのくつは無事ピカピカになった。

よし これでよし!

かっちょいい冠婚葬祭用のスーツ着て行きなよ、父よ!

・・・なんていう感傷も、

着物を着付けてもらった母がドヤドヤと帰ってきた瞬間に

吹き飛んでしまったのだけれどね。

そんなお母さんは、式でフライングして嗚咽し

嬉しすぎてはしゃぎ、大変なことになってしまったのだけれど、

それはまた、違うおはなし。

10:48 PM

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Comments

>茶まゆちゃん
お母さんやお父さんのはなしになると、
つい、こう、ぐっと力が入ってしまうよ 笑

茶まゆちゃんのパパは、どんなパパ?
きっと素敵なお父さんなのだろうね。
もちろん、お母さんもさ!

>taeちゃん
わたしもtaeちゃんの日記読んでて泣きそうになったー
泣かし合いっこだねえ 笑
幸せの涙ってさあ、いいよねえ。

taeちゃんちに流れる時間がね、
すごく伝わってくるんだよなあ。

posted yoko at 11/05 11:02 PM

泣ける。

最近、涙腺がゆるんできていて。

だからこんな話困るなぁ!(にっこり)

posted tae at 10/30 02:16 PM

あったかいね。
やっぱり、ようこちんの言葉はあったかい。

>ピカピカの靴で父親に笑ってほしかったのだ。

目頭が熱くなったよ。
私もパパが大好きだから。

posted 茶まゆ at 10/30 12:44 PM

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